経営相談で感じたこと


#COVID_19 感染拡大に係る中小企業支援策としてセーフティネット保証制度の拡充が行われています。最近応じている経営相談で、経営者の方から、



「(取引がない)金融機関からセーフティネットの利用を呼びかけられた」



という声を聞きます。売上減少や営業自粛による資金繰り悪化が生じていることから、セーフティネットの活用を検討すること自体、悪いとは思いません。しかし、セーフティネットはあくまで借り入れ、すなわち返済が伴うものである以上、その利用は慎重に考えるべきです。


そもそもセーフティネットは、営業取引がストップするなど緊急性の伴う事態が発生したときの措置です。いいたとえではないですが、歩いていたときに事故に遭い、大量に出血したときの輸血処置、これがセーフティネットの位置づけです。資金繰り悪化とセーフティネットとが直ちにつながるわけではありません。


悪化の程度は企業によりけり、となりますが、その判断で重要となるのが資金繰り表です。精緻に作らなくてよいので大まかな予想を立てる。さらにいえば、資金繰り表を作ることで、取引金融機関に判断材料を与えることになります。彼らはお金のプロです。まして、取引先の状況を普段から見ていれば資金需要を嗅ぎ取ることはできるはずです。逆に言えば、取引金融機関にその直感が働いていなければ、提供している情報が不足しているか、相手の勘が鈍いか、どちらかです。


企業経営者の皆さんは営業の見直しや雇用維持に苦労されているかと思います。だからこそ実情を知る源として、資金繰り表を作っておきましょう。作り方がわからなければ、会計事務所に相談するのも一手ですよ。

(参考)中小企業庁HP

https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200408003/20200408003.html